ITで電力の安定供給を守りながら 新規事業など攻めるところは攻める

2020年10月11日

【中電シーティーアイ/内藤社長】

中電シーティーアイは、今年4月の送配電分離と新たなITの構築をコロナ禍のもと同時並行で対応した。未曽有の事態をどう乗り越えたか。中部電力グループを取り巻くITの現状と今後を内藤雄順社長に聞いた。

ないとう・かつゆき 1978年早稲田大学大学院修了、中部電力入社。系統運用部長、岡崎支店長、監査役、東海コンクリート工業社長を経て、2017年6月より現職。

―今年4月に送配電分離が実施され、中部電力、中部電力パワーグリッド、中部電力ミライズ、JERAの4社に機能分離しました。システム改修を手掛けた貴社の取り組みについてお聞かせください。

内藤 一連の電力システム改革は、「電力ITインフラ改革」でもあります。中部電力と一体となって、既存システムの大規模な開発・改修と新たなITの構築を同時並行で、しかもコロナ禍のもとで進めたため、大きな困難を伴いました。

分社化に合わせ大規模な三つの基幹システムに加え、連係する約150に及ぶシステムを機能分離し、規制・競争分野の行為規制・情報遮断などへの対応を行い、さらに各事業会社間の取引や事業計画策定から財務諸表作成までの個社対応なども行いました。

複数のシステムを同時並行で開発・改修したため、全体のマネジメントに腐心しました。

―新型コロナウイルスの感染拡大の影響はありましたか。

内藤 相当なプレッシャーでした。クラスター感染が発生すると、業務が停止します。とにかく、中部電力グループ、ビジネスパートナーを含めてウェブ会議・リモートワーク環境の増強を急ぎました。感染防止に細心の注意を払い、運用開始にたどりつきました。半年が経過しますが、大きなトラブルもなく、胸をなでおろしています。

1 2