【東北電力 樋󠄀口社長】地域とともに スマート社会実現へビジネスモデルを転換

2020年9月2日

再エネ開発に尽力  責任ある事業主体へ 

志賀 秋田沖で洋上風力発電の開発ラッシュが始まっています。 

󠄀口 秋田県における当社の取り組みとしては、本年3月、グループ会社の東北自然エネルギーを通じて出資している秋田港・能代港洋上風力発電事業(出力=約14万kW)において、陸上送変電設備を着工したところです。さらに、7月に再エネ海域利用法で促進区域に指定された「能代市、三種町および男鹿市沖」「由利本荘市沖(北側・南側)」の2区域では、それぞれ大林組が開発を主導する「秋田県北部洋上風力発電事業」、レノバが開発を主導する「秋田県由利本荘市沖洋上風力発電事業」といった、着床式洋上風力の開発可能性調査(FS)が行われています。 

両区域において複数の事業者が開発意思を表明していることは新聞報道などを通じ承知していますが、それだけ同海域が再エネの開発に有望な地点であることと受け止めています。当社としては、責任ある事業主体となるべく、風力発電を主軸に太陽光・水力・地熱・バイオマスなどの再エネ全般について、東北6県と新潟県を中心に200万kWの開発を目指しています。長年にわたって地域とともに電気事業を営んできた経験と知見を生かし、当社が関わる事業のFSをしっかりと進めるとともに、公募入札に向けた対応を行っていきます。 

志賀 女川2号機の安全対策工事の完了時期を22年度へ2年延期しました。今後の審査への対応方針については。 

󠄀口 女川2号機については、本年2月26日に原子炉設置変更許可を受け、安全対策の基本方針や基本設計が確定したことを踏まえ、5月29日に「工事計画認可申請」の補正書を原子力規制委員会へ提出しました。実際の審査の進め方やスケジュールについては、原子力規制委員会が判断するものであり、当社は申し上げられる立場にありませんが、いずれにしても、当社としては、できる限り早期の審査完了を目指し、引き続き、丁寧な説明に努めてまいります。 

志賀 具体的に想定している再稼働時期はありますか。 

樋󠄀口 これまでも、工事完了後、準備が整った段階での再稼働を目指したいとの考えを示してきましたが、再稼働に至るまでには、安全対策工事の完了に加え、使用前事業者検査や長期間停止している設備の点検・確認を入念に行うなど、しっかりと取り組むべき事項があります。また、再稼働にあたっては地域の皆さまからのご理解が何よりも重要です。具体的な再稼働時期について、明確に申し上げることは難しく、まずは22年度の安全対策工事完了に向けて全力で取り組んでいきます。 

8月6日、村井嘉浩宮城県知事らに女川原子力発電所の安全対策工事を説明 
 

志賀 東通1号機の審査の状況は。 

樋󠄀口 震源として考慮する活断層について、補足調査などデータを一つひとつ積み重ねながら説明を続け、本年7月の審査会合で「おおむね妥当な検討がなされた」との評価をいただくことができた。そのほかの審査項目についても、なるべく早期にご理解いただけるよう適切に対応していきます。 

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