【電事連会長・九州電力 池辺社長】電気事業を通じて経済の持続的発展に貢献

2020年10月2日

今年3月に電気事業連合会会長に就任。自由化で厳しさを増す業界のかじ取り役を担う。先頭に立ち温暖化、レジリエンスなどの課題を解決し、電気事業の健全な発展を通じて、経済や国民生活向上に貢献すると力を込める。

いけべ・かずひろ 
1981年東京大学法学部卒、九州電力入社。2016年執行役員経営企画本部副本部長兼部長(経営戦略)、17年取締役常務執行役員コーポレート戦略部門長、18年6月から代表取締役社長執行役員。20年3月から電気事業連合会会長を兼務。

志賀 7月の豪雨に続いて、9月に史上最強クラスの台風10号が九州に襲来しました。最大約47万戸が停電しましたが、災害対応をどう振り返りますか。

池辺 台風10号に伴う停電で、多くのお客さまにご迷惑をおかけしたことをおわび申し上げます。復旧に当たっては、各自治体と連携し情報共有を図りながら対応を進めました。また協定に基づき、陸上自衛隊やイオンさまにご協力をいただきながら、早期復旧に取り組みました。協力会社を含め約7300人を動員して復旧作業を行った結果、停電がピークとなった7日早朝から2日余りの9日18時過ぎに、高圧配電線への送電を完了することができました。

志賀 新型コロナウイルスの感染拡大が継続しており、九州も福岡市を中心に多くの感染者が出ています。これも電力の安定供給を脅かしかねません。どのような対応をしていますか。

池辺 いわゆる「エッセンシャルワーカー」に位置付けられているわれわれとしては、さらなる感染拡大の可能性も懸念される中、電力を安定してお届けし続ける重責を改めて痛感しています。

当社では、政府が提唱する「新しい生活様式」の実践例を踏まえ、各職場で従業員がとるべき行動の留意点を取りまとめ、ウィズコロナにおける「新しい働き方」として周知・徹底を図っています。 

また、この未曽有の事態をチャンスと捉え、既存事業の進化や新規事業の創出、テレワークの拡大やオンライン化の進展などのデジタルトランスフォーメーションによる働き方改革など、あらゆることに挑戦していきたいと思っています。

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