【電事連会長・九州電力 池辺社長】電気事業を通じて経済の持続的発展に貢献

2020年10月2日

分社後も使命変わらず 災害対応はグループで

志賀 今年4月の送配電部門の分社から約半年が経過しました。新たに見えてきた課題は。

池辺 お客さまの生活や経済活動に欠かすことのできない重要なインフラを担う事業者として、「低廉で良質な電気を安定的にお届けする」という使命は、分社に関わらず不変だと思っています。

送配電事業では、送配電設備の高経年化、再エネ電源の大量連系、電力レジリエンス強化などのさまざまな課題に対し、現場の状況を良く分析してしっかりと対応していきます。

また、台風などの非常災害時においては、これまでと同じように九電グループ一体で早期復旧に努めていきます。

台風10号に伴う停電は、ピークから2日ほどで高圧配電線への送電を完了することができた

志賀 電力小売りの自由化から4年が経ち、ますます競争は厳しくなっています。低圧の離脱状況はどうですか。  

池辺 電力広域的運営推進機関の公表値によると、九州の8月末時点のスイッチング件数は約113万件、スイッチング率は約15%であり、全国の約25%より低い状況にありますが、まだ一定の離脱が継続している状況です。

当社は、地元の電力会社として、少子高齢化・人口減少という九州の地域・社会の課題解決に少しでもお役に立ちたいとの思いから、昨年の4月に料金値下げを実施するとともに、「すくすく赤ちゃんプラン」と「IJUターン応援プラン」を創設しました。

また今夏も、お年寄りのご自宅での熱中症を予防するため、昨夏に続き、「熱中症予防プラン」を実施し、好評をいただきました。

志賀 地元に密着した事業者だからできるプランですね。

池辺 新型コロナウイルスの感染拡大防止対策を徹底した上で、九州各地50カ所の営業所を拠点にきめ細かなお客さま訪問や、ショッピングモールでの1日営業店など、お客さまとの接点を生かした「顔の見える営業」も継続・強化していきます。

志賀 一方、高圧の離脱にはどう対応していますか。 池辺 高圧についても、営業所を拠点に、法人お客さまの専任担当者であるアカウントマネージャーによるきめ細かなお客さま訪問や、「最適料金メニュー提案」「省エネ診断」などを行っていきます。低圧と同じように、顔の見える営業を継続・強化していきます。

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